自分が当たり前のように使っていた言葉がいつの間にか死語になってしまったか、なりかけているかというのは悲しいけど仕方ないのかもしれません。
昨年日本中で何億回の「じぇじぇじぇ」とか「倍返しだ」が聞かれた事でしょう。未来のことは分かりませんが、これら名台詞も多分何十年という時を生き抜く 事は、多分できないでしょう。しかしシェイクスピアのハムレットの台詞「To be, or not to be: that is the question」これは400年を越えて読み伝えられてきました。あるいはプラトンは2千年以上の歴史の風雪の中に晒され読み継がれ、今も我々に問いか ける事を止めません。私たちの同時代にも数多く消化しきれないほどの言説が登場します。その中にあって、古典は新たな読者を獲得し読まれていくでしょう。 同時代からも新たな古典の誕生があることでしょう。
年頭にあたり今年は、というかこの先の人生、クラリスブックスという場所を授かった事もあり「読み伝えていくこと」について考えていきたいと思って います。もちろん我々の時代の作品の中から未来へ、新たな古典の誕生、発見を伝えられることの一端に力になれるならと思います。一番恐ろしいのは、我々の 時代で何かの拍子で伝え続けてきたことが途絶してしまうことです。過去の貴重な遺伝子を我々の遺伝子の中でより磨きをかけ未来へ送り出す。そのことを模索 していきたいと思います。