東京 下北沢 クラリスブックス 古本の買取・販売|哲学思想・文学・アート・ファッション・写真・サブカルチャー
東京都世田谷区下北沢の古本屋「クラリスブックス」
「今夜はもう帰ろう、帰るべし」と思ってはいても、メガネスーパーの角を曲がるあたりで「いや」と悩み始め、カルディを通り過ぎる頃にはすっかり心 があらたまっている、くせに、仮設駅舎を目指すふりをしらじらしく続けながら、その実右へ曲がりたがっている足に身を任せきり、気づけば北口改札を横目に 見い見いゆるい坂道をのぼっている、というのがいつものパターン。無印良品の手前で左に折れ、踏切のタイミングをうかがいつつ線路沿いを歩き、なんなら小 走りで線路を渡ると左側にローソンがあってサウンズグッドがあってその次の細い路地を入ってすぐのところ、ネオンに彩られた「808 LOUNGE」の入口にぶじ到着。
看板横のベンチでは、モヒート用のミントや数種類のアメリカンビールが冷やされていて、とても涼しげです。
店内はハワイ一色。壁と天井全面がラウハラという葉っぱの編目模様におおわれていて、カウンターに並んだお酒の瓶を照らすネオンの灯りがとてもきれいで、店に入った瞬間に外の世界からプツンと切り離されて頭も体もリラックス。
お酒の種類は、ビールとカクテルが豊富です。いちおしのモヒートはもちろん絶品、自家製アプリコットリキュールを使ったサワーも甘くなくてスッキリ していて好きです。モスコミュールなんかも、頼めば甘め辛め自在に調整してくれます。定番から珍しいものまでいろいろと揃ったアメリカンビールとの出会い も毎回たのしみ。
店主のウノさん。いつもありがとうございます。
ところで、”one for the road”というフレーズをご存じでしょうか。ボブ・ディランが超かっこよく「one more cup of coffee for the road」と歌ってますが、僕は大学一年のときに中島らものエッセイを読んでいてこのフレーズに出会いました。意味はいくつかあるようで、らも氏の場合は 「帰り道のためのもう一杯」という解釈でした。
素敵じゃないかと感心し、以来、いつか自分もそういう一杯のためのお店と出会いたいものだとずっと思い続けてきたのでした。でもなかなか出会えず。よい店はたくさんあれど、「帰り道のためのもう一杯」用限定となると、細かな条件をすべて満たすのが難しい。
「808 LOUNGE」は、ようやく見つけたそれでした。素敵な店主、おいしいお酒、そしてお客さんもいつもいろいろな方がいてたのしく、といって変に内輪な感じもなく、一人でネオン眺めながらぼーっと飲んでいてもよい気分。
たまーにしか行けませんが、下北沢から東京の東の端っこまで、このお店での「帰り道のためのもう一杯」が、最近のひそかなたのしみです。
お店は17時開店で、ハッピーアワーのサービスもあるので早めに行くのもおすすめです。また、お酒だけでなく、コーヒーやジンジャエールなどもとてもおいしいし、自家製ビーフジャーキーやスモークオイスターもよいなー。
いろいろよいお店です。下北沢に御用の際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
【お店情報】
808 LOUNGE(えいとおーえいと・らうんじ)
155-0031
東京都世田谷区北沢2-23-6
03-3414-8960
https://www.facebook.com/pages/808LOUNGE/207254199315794?fref=ts